相談員養成講座・参加者感想

 社会福祉法人立正福祉会主催による「平成29年度相談員養成講座」に青年会会員有志で参加致しました。(平成29年61日~2

 立正福祉会は、日本宗教界唯一の民間相談事業として社会福祉法人の認可を受け設立された機関です。養成講座では、家庭内暴力・不登校・いじめ・自殺・ひきこもりといった児童の問題に対して、専門的な相談活動をする為に心理カウンセリングの技法を学びました。

 今回、当会より7名の受講者が修了証を授与されました。今後、立正福祉会公認の相談員として各寺院、青年会で活動してまいります。


参加者感想①

今回の受講理由は、法務の中で相談というものが必要不可欠であり、その基礎を学びたいと思ったからだ。

専門の大学や施設の講師から理論と現状と実践方法について学ばせて頂いたが、考えさせられる事が多くあった。

我々僧侶は相談者に対して説教をする傾向にあるが、相談員の基本は、(相手の言葉に耳を傾ける)と受容(相手を受け入れる)で説教、説法は必要としてしないというのだ。

あくまでも、相談員と相談者の立場は同等で安易に宗教的な解決に持ち込んではいけないということなのだ。これは僧侶である私にとって驚きであった。

それから、相談員一人で解決するのではなくて、相談内容によっては専門機関に依頼をして解決に導くのだという。要するに児童虐待や発達障害、不登校、高齢者福祉、障害者の支援等の多種多様な問題に対応する為、相談員一人一人が広範囲に渡る知識や経験を身に付けた上で、専門家とのネットワークを築く事が必要だということなのだ。

『駆け込み寺』という言葉があるが、お寺だけで解決するのではなくて、お寺が窓口となって相談員である僧侶が柔軟な対応が出来るように準備しておかなくてならないと思った。

最後の時間では実際に受講生が相談員と相談者となってカウンセリングの実践が行われたが『言うは易し、行うは難し』傾聴どころではなく、説教をしそうになってしまった。

人の話に耳を傾けるという事の難しさを痛感させられた。

たった二日間では、相談員としての心構えや知識や経験を身に付けるには短すぎる。しかし、現代社会が抱える問題は想像以上に多く、かつ複雑で、現実にその問題解決の為に活動をしている方々がいるという事を知る事が出来た。

檀信徒が、いつ、これらの問題に直面して寺に相談者として来るかは分からないが、いかなる時でも相談員として対応できるように心がけていきたい。

ただ、ただ寺にいるだけでは、得られない貴重な体験をすることができたと思っている。

 

 

 参加者感想②

 私は、今まで相談と聞くとアドバイスをすることが目的と考えていましたが、今回の研修でそうではないことに気がつきました。それは、人の話をしっかりと傾聴するということです。人の話をしっかり聴くというのは簡単そうで意外と難しかったです。しかし、人の話を聞いて、悩んでいることを理解するというのは重要なことだと思いました。今回の研修で学んだことを今後、生かしていきたいと思います。